忍者ブログ
記事タイトル一覧
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

成年後見人研修のなかで、市役所の生活保護課の方の話を聞く機会があった。

最近は生保叩きもややおさまったようだが、一時期は本当にひどく、多くの低所得者が溜飲を下げ、高所得者は自分たちへの妬み嫉み恨みが生保受給者に向かい、ホッとしていたことと思う。

テレビや雑誌でも、役所が本当に生保が必要な弱者を門前払いしている一方で、暴力団などにはよく調べもせず支給して実態も把握せず、不正受給を放置している…といったヒステリックな論調をことさら強調していた。

社会福祉士の大山典宏さんは、元生保ケースワーカーの立場から著書『生活保護VSワーキングプア』のなかで、世間の二極化されたイメージについて、現場の実態を踏まえて説明している。

メディアの流す情報にみなが過剰に反応し、国会議員が乗り出す事態になっていながら、当事者である生保受給者や窓口の職員の声を聞くことがまったくなかった。両者とも口を閉ざしてしまっていることに対し、大山さんはもどかしい思いをしていたようだ。

今回はやや上の立場の方で、直接受給者と関わるというわけではないが、生の声を聞くことができ、とても興味深くかんじた。

・医療費がタダなので、すぐに病院に行く。ジェネリックをすすめてもなかなか使ってくれない。保護を受けるときは歯がボロボロでも保護が外れるときにはきれいな歯になっている。医療を受ける権利があるので、行くなとは言えない…

・今の時代は親が生活できなくなっても子どもは面倒をみようとせず、生活保護受けたら?と言う。親族がいれば連絡はするが、返事はほとんどない。

・石を投げれば保護者に当たる。

・就労指導などは最初に厳しくするのがいいのだが、食うや食わずの状態で保護を受けた人にはなかなか厳しくできず、結局一度甘い汁を吸ったらそこから抜け出すのは難しい。

・子だくさんの世帯だと保護費は50万円以上になる。これだけ稼ぐということはそうそうできない。一家の中で誰も働こうなどと言うものはいなくなる。

人権正義派の弁護士や支援団体が聞いたら「けしからん!」と思うような発言もあります。逆に適正派(確か大山さんがこのように名付けていたような)が聞いたら「そうだそうだ」と賛同する発言です。

でも現場の人の本音がよく出ていると思います。

ケースワーカー1人が100世帯を担当しているそうです。

生保は最後の最後の砦となっているので、支給要件は非常に厳しいのです。制度そのものに大きな問題があるのですが、生保があれだけ大騒ぎされながら、受給者叩きに終わってしまったことは残念でなおかつ大きな問題です。

現場の方の生の声には生保のあり方を考えるうえで貴重なヒントがたくさんあります。今後成年後見人として保護者と関わることもあるかもしれません。現場の方に対し、時にいら立つこともあるかもしれません。それでも何かしらの思いというものがあるはずですので、対話に努めたいと思います。

全国で一番保護数が少ないのは富山県だそうです。市町村単位でも富山市が一番少ないのです。おそらく持ち家率が高いのと、審査が厳しいのがその理由ではないかということでした。

PR
Name
Title
Mail
URL
Comment
Pass
Pictgram
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

 

プロフィール

HN:
みょうみょう
性別:
非公開

 

カテゴリー

 

P R

 

記事一覧