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最近の社会はどこを見まわしても、「リスク管理」が大はやりで、安全にかつ無駄を省いて効率を重視するためだけの仕事が、本来の仕事より加速度的にウエートを増しつつある。自然災害にかかわらず、危機に対するシミュレーションごっこは、国防レベルにまでエスカレートしている異常な時代である。
東北大学災害科学国際研究所教授の川島秀一さんが、「海とともに生きること~漁業の営みを見つめて~」のなかで指摘していることです。
漁師がかかわる海の世界は、ある程度の予測は人間ができても、半分以上はきまぐれな海と魚の世界に翻弄されている。不漁の連続に嘆くことはあっても、次には思いもよらぬ大漁に恵まれる。そのようなメリハリのある生活の喜びが、実は漁師の人間的な豊かさを補償するものであった。危険や危機を目の前にしたとき、口から出てくるユーモアや笑いがなければ、船上では生活できない。
川島さんが出会ってきた漁師は皆明るかったそうです。
「リスク管理」が大事なことはいうまでもないことで、それがもてはやされること自体が異常なことだと思う。流行りなんだろうが、リスク管理の嫌なところは、不安を煽り、そうしなければ結果には責任を持てないぞとばかりに、躊躇する相手をあたかも無関心・無責任であるかのように攻撃して、それが正当であると主張できるところだ。
平和安全法制しかり。子宮頸がんワクチンしかり。
リスク管理は利用手段としてはもってこいなのだ。大義名分の親玉なのだ。
きまぐれなのは海の世界だけではない。ある程度までは予測できるがすべてを予測することは不可能。この世界のすべてがそうである。
なのに、あたかも予測可能であるかのように思ってしまう。だから、リスク管理で危険が防げると言われると、半信半疑ながらも、言うことをきかないで危険な目にあったらどうしよう…となってしまう。
実際には、「リスク管理」という危険な行為で危険に身を投げ出してしまうことになるのだが。
リスク管理によるメリットはなんであろうか。大きな恩恵を受けるのは誰なのか
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