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2018年度以降、道徳が小中学校の正式科目になることについて、武庫川女子大学教授の松下良平さんは「道徳の教科化がいじめ予防や解決につながるとは期待していない」としながらも、すでに決定済みであることから、建設的なものにする方法を語っている。

文科省が2002年に小中学生に配布した「心のノート」では、修身の復活だという批判の声が出た。(実際の内容については、社会学者の古市憲寿さんがおもしろいレポートを書いてくれています)今回の教科化決定についても同様の声が噴出しているが、松下さんの考えは違います。

教育勅語や修身は明治期から戦中にかけて国民国家建設のために利用されてきた。一方、戦後レジームからの脱却を掲げ、グローバル経済を重視する安倍首相は、むしろ現在の国民国家を解体し、国家を表面的に取り繕うために道徳教育を利用していく可能性がある。

戦前への回帰だという左派の議論ではかみ合わず、放置されると道徳が悪用されてしまうので、教科化で何ができるのかという可能性にかけるべきだ。というのが松下さんの主張です。

文科省の、教育現場をコントロールしようとする意識が強いとして、教科化される道徳では、「私たちの社会はどれだけ自由を認めているのか」「権利にはどういう意味があるのか」といったことを考えていく授業がよいと言っています。「人に迷惑をかけない」「自分のわがままを人に押し付けずに我慢しましょう」ではなくて。文科省が狙ってるのはそっちだと思いますが。教科化に委縮せず、「同性愛者の結婚」や「在日外国人差別とヘイトスピーチ」「都会と地方の格差」など、身近な問題を積極的に議論していけばよい、と提案しています。

月刊誌『第三文明7月号』掲載の記事を紹介しました。この月刊誌は公明党・創価学会関連のものです。政治学者山口二郎氏の政権批判のコラムが非常に面白かったのですが、昨年の衆院選あたりに突然打ち切りになり、いやーなかんじでした。

公明党には結党当時の精神を忘れず、良心に反せず、慢心せず、多くの人の声を謙虚に聞いてもらいたいと思います。

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