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ちょっと興味のあった古市憲寿さんの『保育園義務教育化』が図書館にあったので借りてきました。おすすめの読み方のところに、忙しいお母さんは「はじめに」と1,2,7章を読んでくれたら本書の主張が伝わると書いてあったので、さして忙しくはないが面倒くさいのでその通りに読んでみました。

「はじめに」と1章では、保育所に子どもを入れることがいかに困難か、日本では子どもを育てることがまるで罰ゲームのようになっている、お母さんだって人間だ、保育園を義務化してお母さんの罪悪感をなくそう、というようなことが書かれていて、病児保育フローレンスの駒崎さんに感化されたようなかんじです。

2章は教育論についてですが、教育問題に関心のある人たちから想像以上の評価を得ているそうです。私もここは古市さんの本領を発揮しているイチバン面白いところだと思いました。(他ははじめにと1・7章だけしか読まないで言うのもなんですが…)

育児書やインターネット上の情報には、実に思い込みと自分の体験談だけで書かれているものが多く、保育や育児の世界ではトンデモ本が当たり前のように流通している。そして、信頼できそうな教科書はデータが古い。

ツッコんでくれてありがたいです。個々の体験は面白いので私は聞いたり読んだりするのは好きですが、真似しようとするのは無謀なのでしません。多くの人がそうだと思います。でもそのくせ、これこそが真の教育!とばかりに絶賛してます。

官邸で開かれている教育再生会議の議事録を読むと、会議という名の偉いオジサンたちの「私の体験」披露合戦だった。

これはよく指摘されることです。教育論になるとみんな理性がなくなる…みたいです。税制政策や経済政策において「私の経験」から発言するような大臣はいないが、教育政策ではとにかく偉い人たちの「私の経験」が幅を利かせてしまう、とは本当にその通りだと思います。でも最近思うのは、教育政策だけではなく、防衛・安全保障やその他もろもろのことが「私の経験」や「私の思い」が幅を利かせてるのではないかということです。

それはともかく。

古市さんは教育論には科学的根拠が必要だと言います。正確には教育経済学者の中室牧子さんの受け売りですが。子どもの教育実験を縦断的に観察する手法は欧米ではよくみられます。それらの実験によれば、6歳までの教育環境がこどもの一生を左右するということです。

といっても、早期教育というのではなく、集団で遊ぶ・生活するといった、それこそ保育園での生活そのもののことです。6歳までに多くの人と関わったこどもは将来犯罪を犯す率が低く、自己肯定感が強く、社会の成功者となる率が高いということです。学力は早期教育してもあまり効果がないみたいです。

文科省は「生きる力」とかあいまいなことを言っていますが、古市さんは「非認知能力」と言っています。この非認知能力が6歳までの環境で決まるということで、ここに一番カネをかけるべし、それが一番コスパがいいと主張しています。

だから保育園義務化なんだそうです。


ところで、科学的根拠は育児以外にも介護・障がい者関係でも軽んじられているように思います。縦断的に人を見て行くという悠長なことは嫌われ、こうすれば介護・保育が変わる!みたいな即効性のあるものが好かれるみたいです。まさに体験談ですが、「私の体験談」が「科学的介護」とかいって大流行りしたりするのです…

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