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介護の仕事をしていたころ、夜勤のおむつ交換中になると必ずと言っていいほど「旅に出たい!」という思いに駆られた。夕方16時から(多くの職員が15時半(なかには15時の人もいた)には現場に出て働いていた)翌朝9時までの拘束で休憩が30分30分の1時間(仮眠なんてしませんよ。寝る場所も時間もないですから)。1人で30人の入所者を「監視」して、おむつ交換や食事介助などの「世話」をするわけですから肉体的にも精神的にもハードでタイトでツライわけです。現実逃避したくなるのだと思います。

働き始めたころは、介護保険の1回目の改正前で、まだ全体的に余裕がありました。夜勤明けのあと2日間の休みもあり、明けの日と合わせて3日なので旅行に行ったりなんかしてました。でも労働条件が急激に悪化し、元々1時間半あった夜勤時の休憩が1時間になり、休日も減ったあたりから旅行どころではなくなりました。

介護の質ということなら、労働条件が悪化する前から「全然なってない」「ど素人の自己満足介護」が幅を利かせていましたが、労働条件の悪化で「やってられるか」「少しでも裏をかいてラクしてやる」という態度がそこに加えられました。

法人内の異動で配属となったところは、現実逃避をしないと続けられないような有様でした。脱走兵よろしく次々と逃げ出す職員と勤務年数の長い職員の差が大きかったです。

一人で過ごす孤独でハードな夜勤は(30人のおじいさんおばあさんと一緒なのに一人というのもなんですが)旅に出る夢でなんとか1年間持ちました。

やめて数日後には青春18きっぷの旅に出ました。

でもその後ぱったり旅には出ていません。

家庭やお金の事情などもあるのですが、「旅に出たい!」という衝動はなく、気づけば「どこも行ってないな~」というかんじです。非日常というものを求める気持ちそのものがなくなっています。

人を物のように扱わねばならない介護の仕事には戻りたくないと思いつつ、今の生活のほうがはるかにマシであると思いつつ、この満たされない気持ちはどういうことなのだろうか。

何かを手に入れたいと強く願いながら、手に入ったあと空虚な心に苦しむという話をよく聞く。

「旅に出たい!」という気持ちがなくなったことは何を意味するのだろうか。

子どもを言い訳にしていたけど、もう来年は小学生である。そろそろ母子だけの関係ではなくなってきている。

もっと広い世界に目を向けないといけない時期なのかもしれない。




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