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3時ごろ、コーヒーを淹れにキッチンに行くと、ぼんやりとした白い影が木の床に落ちていた。さいしょオバケかな?と思ったが、小さな窓から空を見上げると白い月が浮かんでいた。輝くというほどの丸さでもなく控えめな光だった。

月は出ている時間帯がいつもちがう。宵の口に月がみえないとなんとなくつまらないが、真夜中や丑三つ時に見えると、こんなとこにいたのか…と感心する。

月についてはみなが好き勝手な想像をめぐらせている。

今年小学校に入る娘は、真剣な口ぶりで「月にはうさぎさんがおるげんよ!」と言う。「いないよ!」と反論しようとしたが、ほんとのところはわからないので黙っていた。子どもの思い込みやカン違いは微笑ましくおかしいものだが、大人にしたって同じことだとつくづく思う。

意のままにならないことに癇癪を起こし、しばらく手が付けられない状態となる娘とのバトルにうんざりし、疲弊する毎日であるが、そう思う一方で、自分自身の姿と重なってみえて別の落ち込みにはまる。

今日で保育園は最後である。卒園式は終わっているが、父母共に働いており世話をする者がいないので、今年度いっぱい預かってくれている。

夫は、先生に挨拶するだのお礼を言うだのと、ばかに張り切っているので、念を押した。「今日なんとか6時までに戻るし、私がお迎え行って先生にちゃんと挨拶する」って。そしたら夫は自分が行くと言ってきかない。2人で言い合っていたら娘が「そんなケンカせんと、2人でいっしょに来ればいいやろ?」って。ほんとだね。
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