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新幹線のおかげで新しくなった駅構内には居場所がない。特に改札口の内側・ホームは座るところがなく、最初やや困惑し、今では駅とはそういうところなのだと諦めていいる。

かつて、ファーストフード店は食べる飲むの用事が済んだらさっさと席を立つ回転のいい場所だったが、今では行く所のない人・居場所のない人が100円のコーヒー1杯で何時間もねばる場所になっている。

駅はその昔、多くの人が集う場所だった。行く所のない人たちに待合室の席を占領され、腹立たしいときもあった。彼らは駅から締め出され駅は清潔になったが、駅でひとときを過ごす人も締め出されてしまった。

駅は雑踏となった。マイホームという建物も雑踏になった。

みんなどこで過ごしているのだろうか。

駅(電車も)は過ごすところではないと言われそうだが、私にとっては我が家の延長のような場所だった。

鉄子だった私は始発から最終まで20時間近く電車に乗っていることが多かった。青春18切符を利用して延々と電車に乗っていた。電車の乗り継ぎ以外の計画は立てないので、夜半過ぎにお金も泊まるところもなく、戸のない山奥の駅で一夜を過ごしたこともある。いつもひざ掛け毛布を持参していたので苦もないと思っていた。ある年の3月のはじめ、まだ氷点下のときもある時期だった。待合室で一夜を過ごすらしいとわかったJRの職員が国鉄の分厚い毛布を貸してくれた。ひざ掛け毛布をもっていたので、大丈夫ですよ、ありがとうございますと遠慮したのだが、使うべし!!と押しつけて行った。

たっぷり時間があるので本がゆっくり読める!と喜んでいたのも束の間、寒気でただ座っているだけが精一杯となった。

国鉄の分厚い毛布がなかったらとてもあの夜は過ごせなかった。

私に最後の望みをかけていたタクシー運転手が「なぁ、ほんまにここにおるの?サウナ行かへんの?ちょっと料金まけるで」と営業をかけたが、カネもなく断るとしょんぼりと引き上げて行った。その人がその夜に見た最後の人だった。

始発電車に暖房が入るとJRの職員が知らせに来てくれた。電車の中は我が家のように温かく居心地がよかった。

古き良き時代のおはなしでした。

今度は海外でチャレンジするか。なんてったって、日本全国第三セクターだらけで青春18切符も使いにくいしな…


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