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「1票の格差」是正のため、改正公職選挙法で定数を増やした選挙区と減らした選挙区ができた。

1票の格差が違憲だの違憲状態だのと、違いもよくわからず、投票率もふるわない選挙でなにを大騒ぎしてんだか…と多くの人同様に無関心でいた。

なんとなく、都会に住む人間やそこで立候補する人間には不利で、田舎の人間には有利なのはけしからん、法の下の平等に反する!というようなことを騒いでいるらしいのはわかったのだが、釈然としないながらもよくわからずにいた。

憲法学者の木村草太さんが、憲法改正の本の最後のあとがきのところで「1票の格差」問題に言及している。

投票価値の平等は重要な憲法原則である。その実現という観点からは、活発な訴訟の提起や最高裁の踏み込んだ態度は歓迎すべきものである。

としながらも、1票の格差を解消しなければならない理由として、「選挙権は自分の個人的な利益や信条を国会の決議に反映させるための権利である。1票の格差があると、利益や信条が反映される度合いが相対的に減らされる。これは不平等ではないか」といった素朴な理論が展開されているように見えるが、これは根本が間違っている、と指摘している。

国会議員はどの選挙区から選出されようと、全国民の代表として議論や決議に参加しなければならない。国会は一部の国民ではなく、全国民のために公共の利益を実現するための議会なのだから当然である。そうであれば、個人的な利益や信条の実現という観点から投票価値の平等を説くのは間違っている。人口密集地の国民が、我々の利益をより多く実現すべきだという理由で格差是正を主張しているなら、格差是正の正当性は非常に小さい。国民はどこに住んでいようと全国民の代表にふさわしい人は誰か、という観点で投票しなければならない。1票の格差是正の主張も、格差を是正したほうが、より全国民の代表にふさわしい議員を選出できるはずだ、という主張でであるべき。とのことです。

ほんとのところ、1票の格差解消を実現させたい人の目的はなんでしょうか…

木村さんは、わかりやすい素朴な議論に飛びつくことの問題を本を通して問題にしています。

「わかりやすい」は大事なことですが、二分法になりやすいのですね。複合的な視点。言うは易くです…単純な人間としてはおおいに反省です。
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